最後の日に一番近くで見た。 黒部五郎岳(富山県富山市、岐阜県高山市)2839m 2015年9月19、20、21、22日 1日目はこちら 2日目はこちら 3日目はこちら ****4日目の行程**** 2015年9月22日 双六小屋キャンプ場から新穂高温泉へ 昨夜は少し冷え込んだなあと起きたらテントがパリパリに凍っていました。 まずはトイレ! 昨日の黒部五郎小舎での待ち時間には辟易しましたので、先に済ませてしまおうという作戦です。 着替えてすぐに撤収です。 4日目ともなれば、さすがに慣れてきました。凍ったままのテントはそのまま畳んで念のためビニール袋へ。 今回は一度も撤収時に雨が降らなくて良かったなあ。 軽く行動食を食べたら 5:30 下山開始! 木道から始まった道は徐々に岩の道になり、ゆるやかに登っていきます。 起きたときには星空が見えた。 背後には鷲羽岳と前方には笠ヶ岳がくっきり見えている。 空には雲ひとつない。 双六小屋からの下山は3回目。 どこまで行けばソレが見えるか分かっています。 はやる気持ちを抑えて、一歩一歩ゆっくりと登って行って、ふと見上げたその場所でみんなが同じ方向を見つめていました。 来た! 残りの数歩を登り、その場所へ立ったときに目に飛び込んできたもの。 この山旅の中、一番近くで見た。 うわあ・・・ 歓声を上げようとしたけれど、それはできませんでした。 初日に重い重いザックに苦しんで雨の中歩いたこと。 大きすぎる黒部五郎岳の最後の登りの風景。 カールと双六小屋への巻き道で見た紅葉。 縦走はチャレンジでした。 本当に歩ききることができるか不安だった。 この旅のいろいろなシーンが甦って ここまで来れた。 そう思った瞬間、自分の奥底の方からすごく大きくこみ上げてくるものがあって涙があふれてきました。 そのまま子供のように号泣しそうになって、周りにたくさんの人がいることを思い出して慌てて堪える。 背後に気配がして振り向くと、仲間がカメラを構えていました。 泣いているのを隠して笑ったつもりがまったく笑えずにそのまま歩き出す。 それでも、とめどもなく出てくる鼻水をすする音で、これは隠し切れないなあと「泣けた」と白状。 私も同じだったよ、と2日目の黒部五郎岳の肩で泣いた仲間の言葉。 泣いちゃったねえ。 山際から真っ直ぐに差し込む光を見ながら歩く。しばらくは落ち着かない感情が時々私の顔を歪めたけれど、花見平へ着く頃には収まりました。 朝ごはんはトマトリゾットとマッシュポテトに余ったレーズンパン。見た目はちょっとアレですが美味しかったです。この食事を終えて残った食料は、仲間がコーンビーフ1パック、私がラーメン1袋。1食分を残してちょうど良く食べきることができました。 花見平ではのんびりと1時間ほど滞在してしまい、気がついたらもう8時。 そろそろ下山しましょうか。 賑わう弓折乗越はそのままスルー。 鏡平山荘へ近づくにつれて紅葉が増えてきました。 今年はナナカマドも綺麗に残ってます。 そして太陽も昇ってきたので暑い! 鏡平山荘まで我慢できず途中でフリースを脱いで 山荘で思わずカキ氷を食べようかと思ったのに長蛇の列で諦めて 鏡池を眺めながらとうとう半袖になりました。周りを見回すと半袖は私とマッチョなオニーサンのみ。 マッチョなオニーサンと同じくらいの熱量を発散しているのか(笑)最近、周囲と自分の体感温度がだいぶ違うと感じ始めています・・・みんな暑くないのかな~。 さて、鏡平から新穂高温泉登山口のゲートまでは4時間弱。 途中なんだかすごいスピードで下山する団体の中に巻き込まれてしまい、秩父沢までコースタイム半分で来ることができました。 秩父沢を超えれば、あとは綺麗に整備された道が続きますのでほっと一安心です。 折立まで乗せてもらったタクシーの運転手さんが13時にゲートまで迎えに来てくれる予定。 わさび平小屋で休憩しがてら時間調整します。 ああ、本当にもうすぐ終わるんだな。 すごく大変だったけど終わってしまうとなると残念な気持ちも。 少し寂しさを感じながら最後の林道を歩いて 12:30 4日間の山旅、終了です!! 約束の時間より早めに到着したけれど、すぐにタクシーが来てくれてほとんど待たずに乗ることができました。 早めに来て私たちを待ってくれるつもりだったそうです。 「すごい!予定どおり下山したね~。」 運転手さんの労いの言葉に、戻ってきたんだなあと実感。 「じゃあ、これ。」お疲れさま!と差し出されたのは、冷たいお茶と高山のお団子! うおおお・・・嬉しい~!! 2年前に双六岳から下山して鍋平まで歩いて戻る元気がなく、バス停で座り込んでいるところを偶然拾ってもらったのがきっかけで知り合った運転手さん。それ以来ずっとお世話になっています。 「行ってらっしゃい」と「おかえりなさい」をこの運転手さんに言ってもらえて良かったなあ。 連休中の上高地や新穂高の凄まじい人出について聞きながら鍋平駐車場へ移動。 初日に着いたときは暗くて気づかなかったけれど、ここからの眺めもとても良かったです。 それにしても駐車場は綺麗に広くなっていました。ここが満車になったなんて、やっぱりシルバーウィークってすごかったんだな。 「また来年会いましょう!」 そういって運転手さんと別れて、温泉に入り岐阜へ帰りました。 辛いことと嬉しいことが交互にやってきて、本当に躁鬱を繰り返した毎日でした。 仲間にはずいぶんと迷惑をかけちゃったなあと毎度のように反省・・・。 今思い出すのは、折立からの辛い登りや黒部五郎岳の最後の急登ではなくて 北ノ俣岳からの素敵な稜線や黒部五郎岳の素晴らしいカール。 巻き道の鮮やかな紅葉に、間近で見て泣いた槍穂高の姿。 そんなものばかり。 だから、また歩きに行ってしまうんだろうなあ。 4日間の山旅 “衣食住を担いで山を歩き続ける” 短い日数だったけれど、夢だったことが叶いました。 やったぞ~~!!! 来年は、立山から薬師岳を歩いて道をつなぎたいです。 長いレポをお読みくださってありがとうございました! 3泊4日のテント泊縦走のお話、おしまい。 ****黒部五郎岳の全行程**** 9/19鍋平駐車場(520/530)--折立(730/800)--薬師峠キャンプ場(1245) 9/20薬師峠キャンプ場(500)--北ノ俣岳(730)--黒部五郎岳(1110/1220)--黒部五郎小舎キャンプ場(1410) 9/21黒部五郎小舎キャンプ場(620)--三俣蓮華岳(850/1000)--双六小屋キャンプ場(1200) 9/22双六小屋キャンプ場(530)--花見平(700/800)--鏡平小屋(845)--新穂高温泉登山口(1230)--鍋平駐車場(1250)
by asaasa32
| 2015-10-01 11:20
| 山歩記録
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