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北穂高岳 その2

がんばって登ったあとの最高のご褒美は・・・
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北穂高岳(長野県松本市、岐阜県高山市)3106m
2015年9月4、5、6日




その1はこちら



3時45分にアラームが鳴って一度目が覚めました。外はまだ真っ暗。しばし考えてもう少しだけ二度寝することにしました。
いつもは周囲の喧騒で嫌でも目が覚めるのですが、今朝は人が少ないせいか静か。
4時半前にハッと目が覚めて外へ飛び出します。

常念山脈の向こう側はもう白み始めていました。
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モルゲンロートはもう少し後かな?深い青色の空にはくっきりと穂高の稜線が見えています。
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いいかも・・・いいんじゃないのかな。

今日は北穂高岳の山頂からすごい景色が見えるんじゃないのかな。
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コーンスープとビスケットをほおばりながら、3年ぶりの頂を眺めます。

一昨日の時点では“朝は晴れ。午後から雲が広がる”という予報でした。出発は早いに越したことはありません。準備が出来次第行動開始することとしました。


行動着に着替えてふたたびテントから出たらモルゲンロートが始まっていました。
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真っ赤!
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先月蝶ヶ岳から見たモルゲンロートを思い出します。あっちの山から見ていた景色を今日は一番近くで見ているなんて。こんなに恵まれていいのかな。なんだか良いことばかり続いている気がしてちょっと怖くなってしまいました。

今日一日、無事に登れますように。

気合を入れて

5:30
あの頂にむけて、いよいよ出発です!
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北穂高岳への道はなかなかの急登。ゆっくりゆっくり登っていきます。
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途中たくさんのハイカーに追い抜かれますが慌ててはいけません。すごくゆっくり登ってもコースタイム内で歩けるはずですから、自分のペースでいきましょう。
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後ろを行くのは今回の旅の仲間。久しぶりの山仲間です。この人のおかげでテントを共同にしなくても、充実した食を堪能することができました。ありがたや~
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途中ハイマツの実かなにかを一生懸命食べている猿に出くわしました。人間をまったく恐れていない様で、かなりの至近距離で見つめられます。おっかない・・・少し前に、高度を上げてきた猿に雷鳥が襲われているという記事を読んだばかりなので若干憎たらしい気持ちになってしまいました。猿も一生懸命生きているんですけどね。共存って難しい。


最初は階段状だったトレイルも徐々にゴロゴロとした岩の険しい道になってきました。
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そうそう、こんなヨジヨジするところもあったよね。
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浮石を見極めながら、自分が登りやすいルートを考えながら歩くのは結構大変。石を転がさないように慎重に登っていきます。
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一番の核心部となる鎖場と梯子は、登りだったら足場もしっかりしているので問題ありません。
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梯子をヨジヨジしたら奥穂高岳から前穂高岳が大迫力!
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ちょうどこの辺りが中間地点。安全に座れる場所もありますので一旦休憩します。

あと1時間半くらいかな。二度目の今回、私は知っています。まだまだ先が長いことを。あの見えているピークは山頂ではないことを。
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そうやって覚悟を決めて登るのですが・・・行けども行けども現れるゴロゴロ岩と、私の短い足ではヨジヨジするしかない岩場に苦戦。写真を撮る余裕はナイ。

さすが穂高。分かっていてもサラリとは登らせてくれません。
覚悟はしていても、もうカンベンしてくれー!!とため息が出てきました。
そんな顔をしていたからか、すれ違ったオニーサンに「もう後ちょっと、山頂まで45分くらいだよ。」もう少ししたら鎖場が出てくるから、それを越えたら小屋が見えるから頑張れ!と声を掛けてもらいました。


あと45分ですと!!
時間にしたらそんなにすぐではないのですが、まだまだ1時間以上はかかると思っていたのでテンションが上がってきました。

言葉どおり、ほどなくして山頂と小屋が目の前に。
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「まだ遠い・・・」
嘆く仲間を、 意外とすぐに着くよ~(多分) となだめて最後の登り。
前回はこの景色を最後に真っ白なガスに包まれてしまったのですが、今回は大丈夫そう。
奥穂高岳の向こうにはジャンダルムも姿を現して、いよいよゴールが近づいていることを教えてくれます。
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あとちょっと!
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ウキウキしながら登って
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8:15
北穂高岳山頂到着!!

「お疲れさまでした」
すでに到着していた方から労いの言葉を貰ったら、じわじわと達成感も出てきました。

この景色!
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丸見えですよ~!!
やっぱり抜群の存在感を放つのは槍ヶ岳。
背後には双六岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、薬師岳・・・三俣山荘に鏡平小屋までくっきり見えています。




ぐ、ぐ、ぐ~~~!!!




は、腹の虫が・・・
ああ~もう最大級の腹ペコ具合です。普段こんなにお腹空くことがないので久しぶりの感覚。空腹すぎて力が出ないって山歩きの時くらいしか味わえません。


朝ごはんにしますか~


北穂高岳のテラスに移動します。
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なにやら準備に時間がかかるからその辺を散歩して来いとのことだったので、小屋裏の大キレットを偵察。
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なんという険しい道。蝶ヶ岳から見たときに、どうにかしてトラバースして巻けないのかと思ったのですが、これは無理ですね~。
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あっ!みんな登ってる!!
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山頂や小屋にいるときは感じなかった風が吹いていて体が冷えてきます。こんな中を歩いていくなんて尊敬します。どうか無事に通りぬけられますように。
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間近で見ても恐怖感しか生まれてこない私には、おそらく一生縁がないルート。槍ヶ岳から南岳までのトレイルはすごく素敵な感じなのでいつか歩いてみたい。

指先が冷たくなってきたのでテラスに戻って、さあ朝ごはん!!
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バターの香ばしい匂いが漂ってきて、いよいよ空腹も佳境に差し掛かっています。

いただきま~す♪
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たまごとハーブチキンと野菜とチーズの具沢山ホットサンドです。
サクサクうま~
食後は北穂高小屋のドリップコーヒーで。
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テラスのカウンター席からぼんやりと景色を眺めます。
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「分岐点によくもあんな尖った山が出来上がったよね」



槍ヶ岳を見ながら仲間がつぶやいた言葉に激しく共感。

双六方面から西鎌。常念方面から東鎌。見えていないけど北鎌。そして穂高から大キレット。
もしかして北アルプスの大迫力の山々の真ん中にあるのが槍ヶ岳?

すごいね。




そんな絶妙なロケーションにあるトンガリを特等席で見つめながらゆったりと過ごしていると、徐々に流れる雲も多くなってきて、白馬方面は厚い雲に覆われ始めました。
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実は今回白馬岳も候補でした。あっちの方が早く崩れるのかな。北穂高岳にして正解だったね。
景色も堪能したし、美味しいものも食べたので下山開始することに。

9:30
名残惜しいですが涸沢へ帰ります。
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あんなに苦労した登りも、下りるとなるとあっという間。
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眼下に広がる涸沢が近づいてきたなあと思った頃、登山道の整備をしていました。
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あ、行きにちょっと嫌だなって思ったところ!
じゃりじゃりした小さめの石が重なっているところをトラバースしますが、道が薄くなって少し崩落気味だったのです。
大きな岩を転がして形を整えています。結構危険な作業だと思うのですが、足場の悪いところで身軽に作業されていました。おかげで私たちは安全に山を楽しむことができているのですね。本当にありがたいです。
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小屋の方達の誘導で無事に通り抜けて、ぐんぐんと下りたら
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11:10
涸沢小屋到着!
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やったぞ~!!
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うまーい♪♪
甘くて冷たくて生き返ります。外のテーブルに座って一息。コーヒーも淹れて涸沢のカールを眺めながら北穂高岳の余韻に浸っている私たちの周囲には奥穂高岳や北穂高岳から下山してきた人たちが生ビールで乾杯しています。

ゴクリ・・・美味しそうなビールを見つめる我ら。


ここで飲んだら、後はお昼寝して涸沢でもう1泊コース。今なら時間もたっぷりあるし、シュラフを干しつつダラダラ至福の時間が待っています。


それもすごくいいな~


今夜も涸沢でもかまわないよとチラリと仲間を見ると、「いや、涸沢はもういいです。」ですって。
昨夜寒かったんだとか。
翌日の予報が朝方に雨マークとなっていたことと、私自身涸沢から一気に上高地まで下山する自信がなかったのでテント撤収することに。

できれば徳沢まで。間に合わなかったら横尾まで。
北穂往復した体にズッシリとのしかかるザックを背負い13時に涸沢を後にしました。
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本谷橋の冷たい沢水でリフレッシュしたら
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もうダラダラと歩くだけ。
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15時過ぎに横尾に到着し
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まだ行けそうだったので予定どおり徳沢でテントを張ることにしました。

横尾から徳沢までは、この旅一番のしんどいポイント。
北穂高岳の登りよりも辛かったです・・・ギュウギュウと肩にくい込んでくるザックが本当に憎たらしい。
これって、背とか縮んじゃったりしないのかな。骨格とか確実に歪みそうだよね。

なぜ私たちはこんなに重い荷物をあえて担いでしまったのかという不毛な議論を繰り広げつつ、ひたすら歩いて16時過ぎに徳沢へ到着!!


芝生にザックを放り投げました。
その上に座って、頭も体も一時停止。

今日はここがゴール。もう歩かなくてもいい。

じわじわと嬉しさがこみ上げてきました。うわーい!
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チャチャッとテントを建てて着替えたら最後の晩餐。
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ふたたびの明宝ハム・・・安定の美味しさです。
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メインはお鍋。唯一私が担いだ食料です。ええ、これくらいはやりますとも。
〆は卵を足して雑炊に。
(実は横着してアルファ米をそのまま投入したら、すごい勢いでスープを吸い取り、慌てて水と固形スープと卵を加えたのでした。何の味か分からなくなっていたけどむちゃくちゃ美味しかった・・・)



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土曜日の夕方。夏でも秋でもない中途半端な時期のせいか、徳沢園はとても静か。

もしかしたら、ものすごく頑張って歩けば上高地に着いてそのまま帰ることができたかもしれませんが、慌てずにもう一泊。まったりとした時間はそれまでのハードな山歩きからのギャップを楽しむことができます。

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暗くなるまで食べて飲んで19時頃就寝。



おやすみなさい。








翌朝は5時頃に目が覚めました。
ふかふかの芝生の上で寝たのに体はバキバキ!
久しぶりにガッツリ歩いたもんなあと昨日のことを思い出します。

空はどんより曇り空で、隣のテントのオトーサン達が、「こりゃあ上は霧雨みたいになっとるぞ~」と話しているのを聞いて、昨日涸沢小屋のビールの誘惑に負けずに下りてきて本当に良かったと思いました。
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さて、朝ごはんにしましょうか。
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昨日に引き続きホットサンドで。具は野菜とチーズとウィンナーです。
いただきまーす!
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うま~♪
だらだらと食べながら残った食材も片付けて。コーヒーを飲んだら雨が降らないうちにテント撤収して帰ります。
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上高地までの帰り道がこんなに名残惜しかったのは初めて。
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河童橋が見えた時は旅が終わってしまう寂しさを感じました。
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バスに乗ってあかんだな駐車場に着く頃には本格的に雨が降ってきて、結局、秋雨の真っ只中だったにもかかわらず、一度もレインウェアを着ることなく終わり。



初日はどんよりした天気だったけれど、暑くなくて登りやすかったし

2日目はモルゲンロートから始まり北穂高岳の絶景をみることができた。

最終日はゆったりと歩いてギリギリセーフで雨に濡れずに駐車場へ着いた。


2日しかもらえない夏休みの1日を使った今回の山旅は、秋雨の晴れ間をピンポイントで狙った絶妙なタイミングで大成功!



2泊3日の山旅、終了です!!




あと2つ狙っているお山がありますので残りわずかなシーズンを最後まで楽しみたいと思います。





ちなみにカメラは下山中の本谷橋を超えた辺りで急に復活。今は正常に動いています。
ずっと撮っていた写真もごらんのとおり残ってまして・・・やっぱり液晶モニタのみの問題のよう。
なんだろう?高度障害??標高が高いと調子が悪くなるのかしら。あらやだ、高山病にかかる私とおんなじじゃないの。

もう少ししたらシルバーウィークがやってくるのでそれまでになんとかせねばと焦っています。
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by asaasa32 | 2015-09-10 22:54 | 山歩記録
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